カウンセラー 小澤典子です。
皆さんは「夫源病(ふげんびょう)」という言葉を耳にしたことがありますか?
病院に行っても薬をのんでもよくならない体調不良、実は「夫」が原因かもしれません!
一時期、話題になった「夫源病」とは、読んで字のごとく「夫の言動が原因で、妻の心や体が不調になる」病気です。
これは夫の何気ない言動に対する不満がストレスとなって溜まり、妻の体や心にさまざまな症状を引き起こす病気のことです。
いったい夫のどんな言動が妻の健康をおびやかし、病を発症するほどの悪影響を与えてしまうのでしょうか。
「夫源病」について詳しく知り、予防・改善に向けて健やかなる一歩を踏み出しましょう。
「夫現病」は正式な病名ではありません。循環器医師の石蔵文信氏が長年、中高年夫婦の患者さんと接する中で気づき、命名したものです。
実は、私自身も夫婦問題をカウンセリングする現場でずっと同じことを感じていました。
夫源病はもともと、定年後の喪失感や男性の更年期症状によるストレスを妻にぶつけることで、妻が病んでしまうものでした。
しかし今、私が夫源病について感じているのは、「発症の若年齢化」と「結婚直後の発症」の2点です。
早い人は20代で、夫源病の症状が出ているようです。
「夫源病(ふげんびょう)」といわれるその症状は、今、全国の主婦にまん延し、実際に医師にかかる人も少なくないのだそう。
気付いたら夫現病になっていることも
夫源病とは読んで字のごとく、夫が源(原因)となって、妻の体や心が不調になる病気です。
医学的な病名ではなく、石蔵文信・大阪樟蔭女子大学教授が、男性更年期外来で多くの中高年夫婦の患者さんを診察しているうち、夫源病の存在に思い当たったという石蔵先生。
夫源病は夫の何気ない言動、暴言や心ない言葉が原因で起こる対する不満、夫の言動に耐えて
結婚直後から子育て中までずっと我慢を重ねた結果
長期のストレスが原因ですあるいは夫の存在そのものが強いストレスとなって
現れる主な症状は自律神経や女性ホルモンのバランスを崩し、妻の心身にめまい、息切れ、吐き気、動悸、頭痛、不眠、憂うつ、といった症状が現れます。
症状だけを見れば、40~60代に起こりやすい不定愁訴である更年期障害にも似ています。
このことから、従来は婦人科疾患である「更年期障害」とされてきた中年女性の体調不良の原因の多くは、
実は夫にあるのではないかとの見方もあります。
実際に、体調不良が続き、更年期障害だと思い病院でカウンセリングを受けたところ夫源病と診断される場合もあります。
夫源病は必ずしも更年期の女性だけに見られる症状ではなく、3,40代の若い世代や60代の女性にも多く見られます。
つまり、夫(パートナー)を持つ女性なら、誰でも夫源病にかかる可能性があるのです。
夫現病の特徴
自覚症状はあるのに、病名に結びつかない、治療法が分からない。やっかいな夫源病の原因は、本を正せば夫婦関係の問題。以下のようなことに、心当たりはありませんか?
夫源病の具体的なケース
夫がいないときは症状が出ない
更年期障害のような症状がある(どうき、耳鳴り、めまい、頭痛、不眠、不安感など)
日中は楽になり、夕方以降に悪化することが多い
病院に行ったり、薬をのんでもよくならない
とにかく夫が家にいる週末は頭痛。平日も夕方からイライラする
夫に急に怒鳴られたのを機に動悸が始まり、唾が飲みこみにくくなった
めまいに悩んでいたが、夫が長期出張に出たら治った
夫の身勝手な発言を聞くと、顔ののぼせやほてりが起こる
出張などで夫が不在のときには症状が出ない(軽くなる)、夫の言動によってその症状が重くなる、
症状が出やすいのは、「夫が帰宅するとき」、または「自らが夫のいる自宅に帰宅するとき」の時に症状が出るなら、夫源病の疑いが濃厚です。
医師からこの診断をされたら「夫源病」の疑いがあります
・本態性高血圧症(原因が特定できない高血圧)
・突発性頭痛、突発性難聴
・メニエール病(めまい、耳鳴り、難聴を伴う原因不明の病気)の疑い
・うつ病
・顔面麻痺
上に挙げた病気の多くは、はっきりとした原因がわかっていないものです。これらの病気と診断され、通常の治療を続けてもなかなか症状が改善されない場合は、一度夫源病を疑ってみましょう。
原因となる夫の言動
・生活習慣の問題(ものを散らかす、だらしない態度など)
・お金の問題(浪費、ギャンブルなど)
・ 家事・育児の問題(家事をしない、子育てに文句をいうなど)
・コミュニケーションの問題(会話が少ない、思いやりがない発言が多いなど)
・人前では愛想がいいが、家では不機嫌
・上から目線で話をする
・妻や子どもを養ってきたという自負が強い
・収入のことなど何かと威張る
・家事はあまりしないし口うるさい
・「ありがとう」「ごめんなさい」をあまり言わない
・自分に甘くて妻に厳しい
・重箱の隅をつつくような発言がある
・周囲からは「いい夫」「イクメン」と思われている
・車のハンドルを握ると性格が一変する
夫現病になりやすい妻のタイプ
妻の側にも夫源病になりやすいタイプというのがあります。次の項目に当てはまるものが多い女性は、注意が必要です。
□我慢強く、めったに弱音を吐かない
□几帳面で責任感が強い
□感情を表に出したり、人に意見するのが苦手
□「いい妻」「いい母親」でいたい
□ママ友と仲良くしないといけないと思っている
□外面や世間体が気になる
□細かいことを気にしやすい
□家事は自分がやらなければいけないと思う
□できれば専業主婦でいたい
□ストレス発散ができない
□小さなことにクヨクヨ悩んでしまう
上記に当てはまるタイプの人は、ストレスを抱え込んでしまいがちです。
いわゆる良妻賢母タイプの妻は「これくらいのことは、我慢しなければ…」
「夫に従うのは妻として当然の務め」などの思いから、夫に対する不満を自ら否定して、
知らず知らずのうちに大きなストレスをため込んでしまっていることも少なくありません。
また、「いい妻」「いい母親」でいたいという意識が高い人は、
夫や子どもに対しても時に「いい夫」「いい子ども」であってもらいたいと過大に期待する傾向にあり、
それが満たされないことがかえって自分自身のストレスとなる場合もあります。
夫現病の改善方法
まずは「相互理解」をすること
お互いが多くのストレスを抱えている事について理解することが大切です。
今まで夫の問題ばかり書いてきましたが、夫も会社でノルマや人間関係などプレッシャーを感じているのかもしれません。
夫が今感じているストレスを理解しようとする姿勢が大切です。
もちろん妻も今感じているストレスを少しずつでも話していくことで相互理解は深まっていきます。
2. お互い「言いたいこと」を言わないと病は進行する
夫婦問題を抱える方の多くは、これができていません。
特に、妻の側が夫に対して「これが嫌だ、こうしてほしい」と言えない、言わないことで、夫源病がどんどん進行していきます。
感情的になる前、ストレスが我慢の限界に達する前に、言わないと病気になってしまいます。
なかには、自分の言動によって妻に多大なストレスを与えている自覚がない夫もいます。
正直に伝えられたことで気付き、自分のあり方を見直す夫も少なくないと思います。
3. 夫婦のコミュニケーションを諦めない
夫婦だから言わなくても分かってくれる、そう思っているのは自分だけで、結局何もわかってくれていなかった。
結婚をして夫婦になった二人でも育った環境も違えば、立場も違う二人。
言って分かってもらえないと嫌だな、言い返されるかも、言うのがめんどう
そんなふうに思ってしまうとお互い気持ちが分からず、すれ違ったままになってしまいます。
話してみたらすぐに解決することもありますよ。
妻はどうしても耐えることを選びがちですが、我慢は禁物。
たまには夫婦げんかをしていいたいことをいうくらいのほうが、夫源病予防には効果的です。
夫源病とは逆の妻源病もある
今まで夫が原因の夫源病の事を書いてきましたが、その逆の妻が原因で夫が病気になる妻源病もあります。
「うちは夫源病とは関係ないわ」と思っていたら、夫が原因不明の病気になったり、浮気や離婚を言い出したりすることがあるようです。
共に生活をする夫・妻が原因で病気になる、というと非常にショッキングかもしれませんが
「夫源病」「妻源病」は快適な関係を再構築するための“チャンス”であると捉えることもできます。
夫婦・カップルが、お互いのペースを尊重し、本音を言い合いながら楽しく健やかに年を重ねて行ける…そんな関係を築けるよう、
この機会に一度夫婦関係を見直してお互いへの感謝とねぎらいを忘れずに、夫婦関係を構築していきましょう。
夫源病の存在に気づき、診断や乗り越え方のアドバイスまで行なっているプロのカウンセラーに相談するほうが早く症状は改善して夫婦関係も改善していきますよ。
皆様の毎日に、心から溢れる笑顔が訪れますように・・・。
愛と感謝と祈りを込めて・・・ 。
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