
夫婦関係に、もしかしたら長く悩んでいらっしゃるかもしれませんね。
今の状況から抜け出したい、
でもどうすればいいか分からない…
そんなお気持ちを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、結婚生活が長くなり、お子さんも独立された今、
「熟年離婚」という言葉が頭をよぎることもあるかもしれませんね。
今日のテーマは、まさにその「熟年離婚」について、なんですね。
あなたにとって「熟年」って、どんなイメージですか?
一般的には、結婚生活20年以上で、
お子さんが自立されている状態を指すことが多いんですよ。
中には、若くして結婚されたから40代で熟年、
という方もいらっしゃるかもしれませんよね。
私のところにも本当に多くの熟年世代の方々にご相談いただいています。
だからこそ、今日の「熟年離婚を進めるケース、止めるケース」というお話は、
きっと皆さんのこれからの人生を考える上で、
何かヒントになると思うんですよ。
熟年離婚、一時期すごく注目されています。
きっかけの一つは、2007年に始まった年金分割制度。
それまで、夫が長年会社員として積み立てた厚生年金は、
離婚しても基本的には夫のものでした。
でも、2007年4月からは、専業主婦だった妻にも、
婚姻期間中の夫の厚生年金の最大半分が認められるようになったんですね。
これにより、「離婚しても経済的に自立できるかも」と考える人が増え、
熟年離婚が一時的に増加したと言われています。
ただ、その後は意外にも熟年離婚は横ばい、
むしろ減少傾向なんです。
なぜだと思いますか?
それは、やっぱり現実の厳しさがあるから、なんですね。
熟年での再婚は簡単ではないですし、
蓄えだけでは生活が成り立たないことも多い…。
経済的な不安が、熟年離婚に踏み切れない大きな理由の一つとして、
今も続いているんですよ。
そんな中で、熟年離婚を
「お勧めするケース」と「ストップした方がいいケース」
どんな違いがあるのか、考えてみましょう。
まず、一番に考えてほしいのは「お金」のことですよ。
先ほどお話しした年金分割、
そして夫と築き上げてきた財産の半分(預貯金、不動産など)を合わせたときに、
そのお金で離婚後の生活が成り立のか、ということなんです。
もし、夫が60歳を過ぎても働き続け、
家にお金を入れてくれる状況なら、
離婚しない方が経済的に安定する、という考え方もありますよね。
損得で考えることも、時には大切なんです。
でも、それだけじゃないんですよ。
あなたが妻なら、夫の「性格」も、熟年離婚を考える上で
本当に重要な要素なんですね。
熟年離婚をおススメするケース
例えば、夫が妻に対して全く感謝の気持ちを持たず、
「俺が働いた金は全て俺のものだ!」と考えていたり
妻の内助の功を認めなかったり…。
何かを買ったり、使ったりするたびに夫の許可が必要で、
それが大きなストレスになっている、
ということはありませんか?
もし、夫がそういう態度で、
妻の気持ちや努力を全く理解しようとしないのであれば、
経済的な利益が確保できるなら、
離婚してご自身の人生を取り戻すことをお勧めします。
なぜなら、そういう夫と一緒にいても、
あなたが大切にされることはなく、
ただ利用されてしまうだけかもしれませんからね。
財産をきちんと分け、自分の力で生きていく道を選ぶ方が、
よっぽど幸せになれる可能性があるんですよ。
ただし、注意が必要なケースもあります。
夫がいくら貯金しているか全く分からない、
貯金通帳の場所も知らない、退職金もすでに使われてしまった…。
そんな場合、離婚しても経済的なメリットが
得られない可能性があります。
もし、夫がしっかりと財産を管理しており、
隠し事なく共有できる状況であれば、
そして夫があなたを大事にしてくれないのなら
財産分与を受けて、ご自身の第二の人生をスタートさせることも
十分に考えられますよね。
熟年離婚には、お子さんや親戚からの反対があるかもしれません。
周囲の反応も、気になりますよね。
でも、ご自身の残りの人生をどう生きたいか、
幸せに暮らしていけるのか、という視点で、経済的なこと、
そして何よりご自身の心の平安を考えてみてくださいね。
お金が確保できて、これまでの我慢から解放され、
自由な人生を勝ち取れるなら、熟年離婚は一つの選択肢として、
お勧めできるケースなんですよ。
今の女性は本当に皆さんお元気ですよね!
人生100年時代と言われていますし、
まだまだこれから、という方がたくさんいらっしゃる。
もし、何十年も連れ添った夫が、頑固で、奥さんに
感謝の一つも言えないような人なのであれば、
見切りをつけることも必要かもしれません。
もちろん、すぐに離婚するのではなく、
一度チャンスを与えることもやってみて損はないですよ。
例えば半年から1年という期間を決めて、
夫に変わる機会を与えてみる、というのはどうでしょうか?
夫の良いところに目を向けたり
「これからの人生、二人で仲良く過ごしたいんだけど、どう思う?」
と率直に話し合ってみる。
また、今までの我慢してきたことを伝えてみたり
今後どうしてほしいかを落ち着いて丁寧に伝えてみる。
もし、妻の提案に対して
「分かったよ、一緒に考えよう」と言ってくれる夫なら、
その夫は良い夫ですよ。
たとえこれまで夫に対して不満を持っていたとしても
その夫を簡単に手放すのはもったいないです。
でも、「何を言ってるんだ!」と逆上するばかりだったり
話を何度も無視したり、話し合いにならないなら
そこで離婚を決断する、
というのも一つの区切りになると思います。
熟年離婚を「ストップした方がいいケース」
先ほどもお話ししたように、経済的に自立するのが難しい場合や、
夫が病気などで介護が必要になる可能性がある場合などです。
そして、これは少し言いづらいことなのですが…
「自分が夫より長生きする自信がある」というケース。
夫を見送り、夫の年金や財産を全て引き継ぐ、
という選択をする方もいらっしゃいます。
これはこれで、妻の強い決意があるならば、一つの考え方ですよね。
一番熟年離婚をストップした方がいいのは、
妻自身が一生懸命貯めてきたお金があり、
逆に夫にはほとんど財産がない、というケースなんです。
なぜなら、離婚すると、妻が貯めた財産も
夫と半分に分けなければならなくなる可能性があるからなんです。
「私がコツコツ頑張って貯めたお金なのに、どうして夫にあげなきゃいけないの?!」
と思われるかもしれません。
でも、法律上はそのように判断されることがあるんですね。
ですから、ご自身の財産を守るという意味でも、
離婚が損になってしまう場合は、立ち止まって考えることをお勧めします。
また、夫が心を入れ替えてくれた場合も、
熟年離婚をストップする理由になります。
これまで高圧的だった、浮気もあった…そんな夫でも、
最後に妻を大切に思ってくれるようになり、
お金のことも含めて対等に考えてくれるようになったのなら、
もう一度夫婦としてやり直す、という選択肢もあるんですよ。
熟年世代になると、どうしても「いつ何があるか分からない」
と感じることが増えますよね。
だからこそ、これからの人生をどう生きるか、
より良くするためにどう行動するか、を考えることが大切なんですね。
経済的な自立、精神的な安定、
そして「一人でも大丈夫!」「再婚するぞ!」
という強い気持ち(パッション)がある方には、
熟年離婚はお勧めできます。
でも、「一人になったら寂しい…」
「お金のことが不安でどうしたらいいか分からない…」
という気持ちが大きい場合は、安易な離婚は勧めできません。
ご自身の状況としっかり向き合い、
熟年離婚をするのが良いのか、あるいは別の道を探るのが良いのか、
じっくり考えてみてくださいね。
熟年離婚を考えるきっかけは、一つではありません。
妻側から切り出す場合、夫側から切り出す場合、
それぞれに理由があるんですね。
妻側から夫に離婚を切り出す大きな理由
「長年の積もり積もった不満」が挙げられます。
結婚当初からの夫への不満、
例えば親戚づきあいの問題で夫が味方してくれなかった、
妊娠出産のとき寄り添ってくれなかった、
育児や家事に非協力的だった、
生活費は渡しているから良いだろうと妻の話を聞かなかった、
若い頃の浮気や暴力、モラハラ…。
これらの不満を長年我慢し続け、
お子さんが独立して夫婦二人きりになった時に、
まだ同じことが繰り返されている、となると、
コップの水が溢れ出るように、
小さなきっかけで離婚を決意してしまうことがあるんですね。
夫からすれば「そんなこと?」と思うようなことかもしれません。
20年、30年前の妻を傷付けた出来事であっても
妻は昨日の事のように覚えているんです。
もし妻からそういった過去の不満を打ち明けられたら、
夫はぜひ真摯に受け止めて反省してほしいんです。
「申し訳なかったな、そんな思いをさせてしまったんだな」と、
受け止める。
そして謝罪を伝えることや、
たとえ不器用でも家事を手伝おうとしたり、感謝の気持ちを伝えたり…。
そういった姿勢を見せられる夫であれば、
離婚を回避できる可能性は十分にあります。
でも、そこで逆切れしたり、言い訳する夫だと、
「この人はもう変わらないだろう」と見切りをつけ、
離婚を決意してしまう妻が多いんですね。
もう一つ、妻が離婚を考える理由として多いのが、
「自己実現したい」という強い願望なんです。
結婚や子育てで、自分のやりたいことを諦めてきた…
もう一度学生に戻りたい、
バリバリ働きたい、お店を持ちたい…。
そういった夢を熟年になってから実現させたい、
と考える女性が増えています。
夫婦関係が良好であれば、
夫も妻の夢を応援してくれるかもしれません。
「君がやりたいことがあるなら応援するよ」
「お金のことは退職金から出してもいいよ」
と言ってくれるような夫なら、離婚する必要はありませんよね。
でも、妻の夢を鼻から否定したり、
「お前なんかにできるわけない」と頭ごなしに反対したり、
怒ったりするような夫であれば
「この人と一緒にいても、私の人生はない」と感じてしまい、
離婚を選ぶ、というケースもあります。
人生のカウントダウンを意識し始める熟年期だからこそ、
やりたいことは急ぎたい、という気持ちが強くなるんですね。
女性の場合、一度離婚を決意すると、
感情的になりがちで、世間体や老後の不安も抱えつつも、
まっしぐらに突き進んでしまう傾向があると言われています。
でも、夫が妻の不満や不安にきちんと耳を傾け、
変わろうと努力する姿勢を見せれば、妻も立ち止まって考え直す、
という可能性は十分にあります。
熟年離婚は、自由を手にできる一方で、
さまざまな不安も伴いますから、これまでの縁や情を大切にし、
もう一度夫婦として向き合ってみる、という選択肢も「あり」なんですよ。
熟年離婚を回避できるなら、
それに越したことはありませんからね。
夫側から妻に熟年離婚を切り出すケース
男性が離婚を考える大きな理由の一つは、
「一家の主として尊敬されない」と感じていることです。
長年一生懸命働いて家族を支えてきたのに、
家ではATM扱い、家に帰ってもねぎらいの言葉もない…。
特に、お子さんが独立して夫婦二人きりになった時、
妻や子供たちが楽しそうにしている輪の中に入れず、
自分は蚊帳の外だと感じる…。
頑張って働いてきたのに、感謝もされず、
大切にされていないと感じる男性は、本当に多いんですね。
そういった夫は、退職金を受け取り、
これから年金生活になるというタイミングで
「もうこんな妻とは一緒に暮らしたくない」
と離婚を決意することがあります。
長年の悔しさから、「どんな苦労をしてでも、この妻とは別れたい」
と強く思う方もいらっしゃるんですよ。
もし、夫がそんな気持ちを抱えているとしたら、
今からでも遅くはありません。
一生懸命ご主人に感謝の気持ちを伝え、
ねぎらって、大切にしてあげてください。
間に合わないこともあるかもしれませんが、
やらないよりはずっと良いはずですよ。
夫の離婚への意思は、時に非常に固いことがあります。
「絶対に離婚するんだ」
「こんな思いをさせられた妻に復讐したい」
とまで考えてしまう方もいらっしゃるんですね。
もし妻が、夫の頑張りを当たり前だと思っていたり、
感謝の気持ちを伝えていなかったりしたのであれば、
夫はそういった気持ちを抱えている可能性があります。
今からでも、夫の気持ちに寄り添い、
大切にすることを心がけてくださいね。
ただし、夫側からのリベンジは、
時に巧妙な形で現れることもあります。
財産を隠したり、勝手に使ってしまったり…。
ですから、妻の方も、何も知らずにいると、
いざという時に困ってしまうかもしれません。
夫も、いきなり離婚を切り出すのではなく、
やはり一度は妻に変わるチャンスを与え、
老後を一緒に楽しく過ごせる関係になれるのが一番良いんです。
男性の方も一度決めるとなかなか考えを変えない、
頑固なところがあるので時間はかかるかもしれません。
夫が熟年離婚を考えるもう一つの理由として、
「不倫相手を選ぶ」というケースがあります。
若い頃から不倫を続けていた夫が、
奥様がそれに気づいていない、あるいは無関心だと思っていた場合、
熟年になってお子さんも独立し、
「そろそろこの不倫相手を幸せにしてやりたい」
「自分を大切にしてくれるのはこの人だけだ」と考えて、
離婚を決意することがあります。
不倫相手は、夫にとって自分を理解し、
価値を認めてくれる存在だと映ることが多いんですね。
「あなたの良さが分かるのは私だけ」
「ずっとついていくわ」…そういった言葉に、
夫は支えられていると感じてしまうのかもしれません。
不倫相手が、夫の背中を押す形で離婚へと進んでいくこともあります。
男性側からの熟年離婚は、不倫相手の存在に関わらず、
「長年尊敬されていない」「大切にされていない」という不満が
根底にあることが多いんですね。
「こんな妻に老後の面倒を見てもらいたくない」
「財産も渡したくない」…そういった思いから、
離婚に向けて動いてしまう夫が増えています。
中には、財産分与を避けるために、
退職金を使い込んだり、財産を隠したりするケースも見られます。
ですから、妻としては、夫の日頃の様子に関心を向け、
もし何か異変を感じたり、夫が不満を抱えているようであれば、
しっかりと話し合うことが大切です。
夫の価値を認め、大切にしていることを伝え、
お金の管理にも気を配り、もし気になることがあれば正直に尋ねてみる…。
熟年離婚は、ご自身の人生にとって大きな出来事ですから、
後で後悔しないように、しっかりと現状を把握し、
ご自身が損をしないように行動することが重要なんですよ。
お金だけじゃない!熟年離婚で「幸せ」をつかむために本当に大切なこと
何より大切なのは、ご自身の「幸せ」を一番に考えること、なんですね。
経済的なこと、精神的なこと、そしてこれからの人生で何を大切にしたいのか…。
じっくりと時間をかけて、ご自身の心と向き合ってみてください。
あなたが後悔のない選択をするための、ささやかな手助けになれば幸いです。
諦めずに、まずできることから始めてみることが大切ですよ。
熟年離婚について、様々なケースや原因についてお話ししてきましたが、
いかがでしたでしょうか。ご自身の状況と照らし合わせて、
考えるきっかけになったのであれば嬉しいです。
もし、今夫婦関係のことや
熟年離婚で悩んでいるのであれば、一人で抱え込まず、
私に相談してくださいね、
熟年離婚を回避するためのヒントや、
もし離婚を選ぶ場合にどうすれば良いのか、
改善のためのポイントも具体的にお伝えしています。
ご自身の気持ちを整理するためのアドバイスをもらうこともできますよ。
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